Column
平成20年度国民生活白書より引用
こちらのグラフは日本人の幸福感と一人あたりGDPとの関係をまとめたものです。青い線は一人当たりGDP、オレンジの線は幸福感(生活全般への満足度)を示しています。これを見ると、一人当たりGDPは上昇し続けているにもかかわらず、幸福感は上昇していないことがわかります。所得が一定以上になると、所得が上昇しても幸福感が増大しないことが知られています。
それでは、幸福感を高める鍵になるのは一体何でしょうか?
実は、幸福感を規定する最も重要な要素は、健康と良好な人間関係です。
職場ストレスの内容 | |
職場の人間関係 |
38.4% |
仕事の質 | 34.8% |
仕事の量 | 30.6% |
会社の将来 | 22.7% |
定年後の問題 老後の仕事 |
21.2% |
平成19年労働者健康状況調査よりたっきゅうさんが作成
多くの方にとって、最も長い時間過ごすのは職場であると思います。職業生活においてストレスなく過ごすしたいと誰しもが思うことでしょう。
ところが、実際には職業生活のストレスを感じている人はたくさんいます。
少し古い資料ですが、平成19年に厚生労働省が行った労働者健康状況調査によると、仕事あるいは職業生活において、強い不安・悩み・ストレスを感じている人の割合は58パーセントにもおよびます。
そして、実は職業生活における最大のストレスの要因は職場の人間関係であることが明らかになっています。
ストレスを感じている人の約38パーセントが職場の人間関係がストレスであると回答しています。
この傾向は男性より女性の方が顕著であり、職場の人間関係がストレスであると回答した人は50パーセントを超えています。
職場での人間関係をいかに良好に保つかが、幸福感を高めるうえで最も重要な社会的課題だと言ってよいでしょう。
こんな時代であるからこそ、私は仕事をする場所がもっと笑いにあふれる場所であればよいと願っています。日常的に笑うことを意識することによって、人間関係が円滑になり、困ったり悩んだりした時にお互いに相談しやすい雰囲気を作ることができます。また、日頃からユーモアに親しんでいる人は、ストレスの感じ方を和らげることができると言われています。ユーモアを創るには、普段とものの見方を変えてみるといった発想の転換が不可欠です。普段からユーモアに親しんでいると、困難な状況ですら見方を変えて絶望ではなく前向きな挑戦として受け止めることが可能になります。また、一度状況を笑い飛ばしてみることで、困難な状況から距離を置いて冷静な視点を持つことが可能になります。笑いには人間関係を円滑にし、ストレスを緩和する効果があるのです。
人間関係が円滑になる
困ったときや悩んだときに相談しやすくなる
困難な状況も前向きに挑戦しようという気になる
困難な状況からいったん距離を置いて冷静になれる
たっきゅうさんが独自に作成
職場はまじめに働く場所であり、笑うなんて不謹慎だと思わずに、ぜひ職場の同僚同士で笑いあえる環境を作ってみていただければと思います。とはいえ、無理して笑うのは禁物です。ストレスが大きくて心身に不調が出たときは医療機関を受診したり、周囲から社会的サポートを受けるようにしましょう。